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  新入生に一番最初に覚えてもらうのは馬の手入れと馬装です。馬の手入れと馬装は馬に騎乗するための前提であり、その過程で初めて馬とコミュニケーションをとることができるため、非常に大事な作業といえます。


  特に馬装は、自分ができないと常に誰かに頼ることになるため、早期にしっかり覚えておく必要があります。これらの作業を覚えるためには実際にやってみるのが一番望ましいですが、一応前もって勉強しておきたいという人のために、馬装の方法と注意点をまとめてみました。




☆注意点☆


・必ずヘルメットを着用する
・馬の後ろに立たない、後足の裏掘りの際には蹄部を腹側から持つ
・道具を見せて今から何をしようとしているのか教えながら手入れをする(安心させる)
・噛む癖のある馬は、噛まれないように注意を払いながら作業を行う
・馬の足に踏まれないように注意を払う
・作業は基本的に馬に向かって右側(馬から向かって左側)で行う
・安全な作業を行うためにはこれらの注意点をしっかりと覚えておきましょう。





それでは、騎乗前の手入れと馬装の仕方です。



(1)裏掘り


  裏掘りの目的は、小屋の中で、馬がボロや湿ったオガクズを踏んで蹄の裏に詰まってしまった汚れ
をキレイにしてあげることです。


  蹄の裏を掘るときは鉄皮(てっぴ)を使います。 裏堀の順番は左前肢、右前肢、左後肢、右後肢の順番で行います。



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左前肢の裏掘り



  まず、馬の肢を持ち上げることから始めましょう。

  肢の持ち方は、前肢後肢とも馬のお腹側(前後肢の内側)から手を回して持ちます。 馬に向かって右側に入って、馬の後の方を向いて左前肢と並んで立ちます。

  そこで前屈をして、左前肢のつなぎのあたりをトントンと手のひらでたたくと馬は肢を上げる合図だと認識して肢を上げます。左前肢を持つ場合で馬が合図をしても肢を上げない場合は、左手を馬のお腹側(左前肢の後ろ)から回して球節の内側あたりを軽く持ち、その姿勢のまま、自分の左肩で馬に体重を掛けると重心が反対肢にかかるので、馬は左前肢を上げます。

  馬が肢を上げたら、左手で馬の蹄をしっかりと持ち、右手で鉄皮を持ちます。

  鉄皮を持ったらまず、蹄叉側溝に沿って上から下へゴミを掘り出します。 次に蹄底のゴミを落としますが、これは蹄鉄に沿って外周をなぞって行くとゴミが落ちます。



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蹄の裏は赤に塗られた部分を中心にヨゴレが溜まりやすいです。


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右前肢の裏掘り


  左前肢の裏掘りが終わったら、姿勢を変えずそのまま左手を馬のお腹側(右前肢の後)から手を回して、管の外側を持ち、馬を自分の方へ引き寄せます。 そうすると馬の体の重心がこちらに移動するので、馬が右前肢を上げやすくなります。 馬が肢を上げたら、それからは左前肢の場合と同様に裏掘りをします。



左後肢の裏掘り


  馬の後の方を向いたまま、左後肢に並んで立ちそのまま前屈をします。 左手で馬のお腹側(左後肢の前)から手を回して、球節を軽く持ち先と同様に自分の左肩で馬に体重を掛けると馬の重心が反対肢にかかるので、馬は左後肢を上げます。 馬が肢を上げたら左手で蹄(蹄壁)を持ち、さらに馬から見て後の方へ軽く引きます。 そうすると、肢は固定されます。 裏掘りの方法はと同様です。



右後肢の裏掘り


  左後肢の裏掘りが終わったら、姿勢を変えずそのまま左手で馬のお腹側(右後肢の前)から手を回して管の外側を軽く持ち、そのまま自分の方へ馬を引き寄せます。 そうすると、馬は体の重心がこちらへ移動して右後肢を上げてくれますので、そのまま蹄(蹄壁)を持って馬から見て後へ軽く引っ張ります。 裏掘りの方法は先と同様です。

  馬のしっぽが邪魔になる場合、しっぽを自分の首にかけてしまえば楽に裏掘りをすることができます。 また、右後肢の裏掘りをしているときは「ボロ」爆弾を喰らわないように注意しましょう。

  後肢を持つとき、あるいは掘るときは、あまり蹄を覗き込むと馬が不意に蹴り上げた肢が顔に当たる可能性があるので注意します。 できることならば、馬が蹴る方向を避けて、ちょっと上目から覗いて掘るのがいいでしょう。



(2)ブラシがけ


  騎乗前のブラシがけは、てきぱきと行うようにします。 乗っているときに藁やボロがついているのは非常に格好が悪いですから、それらをきちんと取り除きます。 場合によっては雑巾で拭くなどのことをやっても良いでしょう。



ブラッシングの方法


  最初は硬いブラシを使って、馬体にこびりついた汚れをゴッシゴッシ落としてあげる必要があります。毛の流れに逆らうようにプラスティックブラシをかけて毛の下の汚れを浮き立たせます。毛ブラシに比べ刺激が強くおなかや背中をブラシされるのを嫌がる馬が結構います。

  硬いブラシでヨゴレを落としたら、浮き立たせた汚れを柔らかい毛ブラシで払い落としながら毛並みを整えてキレイにしてあげましょう。 同時にマッサージにもなっているので汚れが無いところもブラッシングしてあげてください。

  ブラッシングのときにブラシを持っていない片方の手は馬体に添えて、馬に自分のいる場所を教えてあげると馬が安心します。



ブラッシングの方向


  馬の毛並みは図の通りの方向に流れていますので、その方向にそってブラッシングをします。



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(3)装鞍準備


  ブラシがけが終わったら、プロテクタを装着します。

  プロテクターは一部、物によって違う場合もありますが、基本的に4肢セットになっていて、大きい(長い)方が前肢用で小さい(短い)方が後肢用です。 左右の違いはプロテクターを巻いた際に、止め具のベルトが外側でベルトの余った部分の先端が後ろに向くように装着します。



(4)装鞍


  鞍についているボアゼッケンの下に汗取りを置くときは、先に置きます。鞍を乗せるときは鐙がきちんと上がっているかどうかを確認し、向こう側の鞍骨に手を当てて鞍を乗せます。

  ゼッケンは鞍の前端よりやや前よりにずらして置きます。具体的にはき甲を完全に隠すくらいの位置で良いでしょう。 馬が運動をすると、鞍は少し後ろにずれますが、き甲が高い馬などはずれが大きくなるので、胸がいを使用してずれないようにします。

   ゼッケンを置いたら、次は鞍をゼッケンの上に置きます。 鞍は重量がありますので、馬の背にそっと置いてください。 置く場所は馬の重心より少し後ろです。場所を確認する為に、鞍を置いたらあおり革を上げて腹帯託革が帯道の真上に来ているか確認します。

  鞍はき甲を圧迫しないようにします。 鞍の前喬の下、ちょうどき甲の部分は、馬の首、背中が活発に動き、鞍下あるいはボアゼッケンで擦れてしまうおそれがあるので、写真のように少し浮かせてやります。



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(5)腹帯


  腹帯は帯道を通し、使用する託革に軽く通します。託革は通常3本あり、真中を残して前と後ろを使用します。 真中を残しておけば、何らかの理由で託革が壊れたときに、前の予備とも後ろの予備ともなるからです。

  腹の下に腹帯を通して左側の腹帯託革に繋げます。この際、最初は鞍がずれない程度に少し緩めにしておきます。 写真にも示したとおり、指1本が普通に入る程度がちょうどよい締め加減と思われます。



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  このとき、馬の毛並みが腹帯と共に上側に逆立ってしまうので、指を通して毛並みを整えてやるとよいでしょう。

  もし、マルタンガールや折り返しをつけるのであればこの時に腹帯に通してしまってください。

  腹帯は一気に締め上げないようにします。 人間でもベルトを一気に締めると苦しいですが、これは馬も同じ。 ゆっくりと、託革の穴をひとつひとつ、さらに左右交互に締めて行くようにします。

  腹帯を締める際には馬が神経質になり噛み付いてくることがあるので注意しましょう。 もし腹帯を締める際に近くに人がいる場合は、「腹帯締めます」と一言かけてあげましょう。



(6)頭絡・ハミかけ



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  馬の左側に立ち、更に左手で頭絡(とうらく)のうなじ革を持ち、頭絡の革がねじれていたりしないかを確認します。



  さらにこの時、鼻皮を頭絡の前から回してうなじ革と一緒に持つと、ハミをかけた後に鼻革がもつれなくて便利です。



  馬をつないである左側の曳き綱をはずします。



  手綱を馬の前から首にかけてから無口を外します。

  無口の外し方はまず、自分の右肩に頭絡を引っ掛けておき、馬の頭を右肩の上に載せるような感じで右手で馬の顔(鼻梁あたり)を抱えます。

  両手で無口の項革を少し上に持ち上げて馬の耳を刺激しないように前にずらして無口を外してください。 外した無口は左手で馬繋場の左側の支柱に掛けます。

  この手順で行えば、馬には常に曳き綱もしくは手綱がかかっている状態となり、放馬を少しでも防ぐことができます。 (無口を取り外した後に馬が首を上げて横の方を向いてしまったりすると頭絡がつけられません。 そんなときに首にかけた手綱を引いて合図して首の位置を戻させます。 手綱をかけ忘れた場合、掴むところもなく馬を制御することが出来ません。そうならないために先に手綱を首にかけておくのです。)



  頭絡をそのまま右手に持ち替え、正面よりハミを口に当て、くわえさせます。

  馬の口を開けにくい時は、写真のように馬の口のハミ受けの部分に少し親指を入れてやるとかけやすいと思います。

  馬が口を開けたら、右手で持っている頭絡を馬のうなじの方向へ上げながら、ハミをおさえている左手人差し指、中指などでハミを口の中へそっと押し込みます。



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  頭絡をうなじ革の位置で両手で持ち、馬の耳を内側に倒しながら、うなじ革を通します。

  額革での鬣の巻き込みなど無きよう適度に外側に鬣を出して整えます。



  ハミの強さを確認します。馬の口元にしわが2本くらいできる程度にほお革を調節します。その後鼻革、喉革を締めます。



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  喉革は 顎下に人間の握り拳が1個入るくらい余裕を持たせます。

  また、止め金の位置がのどの位置に直接当たらないように気をつけます(頭絡がはずれたとき、のどの血管を切るのを防止するため)。 ねじれなどがなければ完成です。



仕上げ


  通常、頭絡は鼻革と喉革が外れた状態になっているので、それを接続します。 鼻革はフランス鼻革の場合、頬側の下に鼻革を通し、馬の顔とのスキマは指1本分くらいで少しキツめに締めます。






  ここまでできたらいよいよ騎乗タイム! 騎乗後、人間の体重で腹帯が緩むので、腹帯を締めます。 また、乗り替わりの時なども必ず腹帯が締まっているかどうか確認する癖をつけましょう。 ではみなさん、頑張ってください!






  このページの内容は「Horseman Life」と「Flying Change」の内容を参考にして作成されました。


Horseman Life : http://homepage1.nifty.com/hokkaido-oumasan/

Flying Change : http://www.terra.dti.ne.jp/~ikarus/


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